第1章 高千穂峡

1.1 大阪空港
1.1.1 モノレ−ル

大阪空港まではモノレ−ルが開通したので、これを利用しようと前から計画していた。先週、エキスポランドに来たときに事前に発車時刻、所要時間を確認しておいた。上牧からは、約1時間である。空港でゆっくり朝食をとる。
1.1.2 ボディ−チェック
またピンポンと鳴ってしまった。この前飛行機に乗った時、
    ・・・もうこのベルトはやめておこう
と思ったのに。
ガ−ドマンのお姉さんの話によると、身につけている金属の総量によって反応するそうである。
毎回のことなので横で広子さんが笑っている。
1.1.3 飛行機
  「小さい飛行機やね」
と広子さんが言うのでよく見てみると、JALと同じデザイン、配色だけど「JTA」と書いてある。
半額で乗るからなのか?どうも偽物のJALらしい。広子さんは気づいていない。でも思わずしゃべってしまった。
スチワ−デスも心持ち高年齢に思える。
(後で調べると飛行機は、ボ−イング737−400フラワ−ジェット。JTAは偽物ではなく日本トランスオ−シャン航空であった。その他似たものにJAIRもあるので気をつけたほうがいいだろう。)

1.2 宮崎空港
1.2.1 レンタカ−

二人の前に並んだおっちゃんが、受付手続きのあいだに携帯で電話するわ、1万円札で支払いをしたため、一人しかいない女の子が釣り銭を取りに走っていくわなんやらで、レンタカ−の手続きが終わる頃には、周りに誰もいなくなってしまった。
  「いいですよ、ゆっくりしてください」
受付の娘がちょっとべっぴんさんなのでそう言うと、
  「目的地までの道順はおわかりですか」
と聞かれた。いつも答えるとおり、
  「だいたいわかってる」
というと、やっぱり・・・地図を出して来て、丁寧に道順を教えてくれた。
結果から言うと、今回の旅行の中でこの区間だけが”ナビゲ−タ−広子”を最も信頼できた半日であった
1.2.2 サイドブレ−キ
  「何処やろ」
  「きっとニッポンレンタカ−て書いたあるやろ」
我々の乗るレンタカ−は何も書いてない誰もいない駐車場にキ−をつけたまま置いてあった。
レンタカ−はいつも違う車なので(あたりまえだが)乗ってからわからないことが出てくる。
今回は乗る前からサイドブレ−キの操作がわからなくて、
・・・サイドをかけたまま走ってはいないだろうな。
と思ってはいたが黙っていた。しばらくしてから広子さんに正直に話し、説明書をみてもらったがわからなかった。
踏み込んだらいいことを思い出したのは夕方だった。
不安な始まりであった。道はすいている。

1.3 高千穂峡
1.3.1 阿蘇くじゅう国立公

以前北九州に来たときは行程に無理が出るので高千穂峡は諦めた。今回は少し無理をした。
案の定、熊本・宮崎の県境の国道は、府道柳谷線から大沢へ抜ける道のように狭くて曲がっていた。
終いに広子さんが、
  「通り越したんとちゃうやろか」
(余談であるが、大阪弁用のワ−プロソフトはないのだろうか、「ちゃうやろか」が「茶卯や^過」になってしまう。)
と心許なげに言う始末である。

1.3.2 高千穂峡
しかし迷いもせず、パンフレットを見てあこがれていた、ボ−ト乗り場の駐車場までやって来た。
ボ−ト乗り場の谷間まで降りて行くが客はいない。また看板には、
  「ダムの放水があり、サイレンが鳴って数分で水がやってくる」
と書いてある。数分でどうやって逃げるのだろうか。
しかもそのことを広子さんから知らされたのはボ−トに乗ってからだった。
1.3.3 流しそうめん
駐車場のおっちゃんに流しそうめんの場所を聞くと
  「もうやってるかな」
と頼りない。が教えられたとおりに行く。みすぼらしそうな店には、
  「都会のようなセンスのあるもてなしは出来ませんが、田舎なりの真心のあるおもてなしをいたします」
と書いてある。看板どおりおばちゃんは愛想良く喋ってくれる。
二人の旅行の時は昼食は大抵つまらないものを食べる。
この日は400円の「高千穂名物流しそうめん」と、200円の焼きおにぎり。
この焼きおにぎりや、素麺にも付いていた柚のふりかけを売っているというので、場所を聞いて買いに行く。
1.3.4 トイレ
今回の旅行中トイレは何処とも水洗で、きれいであった。
ただここの駐車場のボ−ト乗り場入り口側のトイレは唯一水洗でなかった。
駐車所を出るとき入れ替わりに入ってきた人がトイレに入ろうとするのを見て、広子さんが、
  「あっちのトイレの方が水洗できれいですよ」
と、聞こえないように小声で言った。

1.4 通潤橋
1.4.1 通潤

九州には長崎の眼鏡橋など石の橋が多く残されている。
安政元年(1854)に作られたというこの橋は、中に3本の石製通水管が通っているア−チ橋で、
橋梁中央からの放水で有名である。
目的は灌漑用でサイフォンの原理を用い、一度下がった水を再び高地に押し上げている。
金沢兼六園にも見られる仕組みである。
通潤橋のある緑川流域には、下流に霊台橋もある。
1.4.2 九州自動車道路
昭和58年〜59年、熊本県球磨郡深田村で初めて最終処分場の設計をした頃は、この道は完成しておらず、人吉のル−プ橋を通って現場まで行った。
この日、霊台橋を車窓に見た後、八代の北「松橋IC」から「えびのJCT」を抜け宮崎自動車道「高原IC」まで九州の1/3程を縦断した。今日一日で約250キロを走った。車はほとんどいない。
泊まりは、霧島ロイヤルホテルである。
1.4.3 フランス料理
風呂へ入るとおっちゃんが一人だけ泳いでいた。露天風呂もあり竹筒からお湯が落ちている。
小さな岩山の上の、竹で編んだ塀の下が少しあいていて、女風呂が少し見えるのだが人影はない。
きっと女風呂も広子さん一人だろうからのぞいても仕方ないと自分に言い聞かす。
竹筒から落ちていたのは打たせ湯であることに気づいたのは、明くる朝二度目に入ったときだった。
若い頃、広子さんを食い物で釣ったと言われたが、彼女の性格は今もあまり変わらない。
このホテルも、るるぶの「ミシュランの三ツ星シェフ」に学んだ「料理長」が作る「フランス料理」という記事を見て、泊まることが決まってしまった。
もちろんディナ−はフランス料理。
広い店の中にお客は4組ほど。今回は店の人の愛想も良く説明もちゃんとしてくれる。
お腹も一杯になった。もうフランス料理は当分いらないと思った。


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デジカメを持っていなかったので、文章内の写真は、
よかとこBY・写真満載九州観光」のもの許可を得て使用しています。
質のいいHPですので、是非、見に行って下さい