第2章 生駒高原

2.1 霧   島
2.1.1 ソフトクリ−ム

朝風呂へ入り食事をしてチェックアウトする。フロントの人に
  「隣の牧場は何時から開いてますか」
と聞くと、9時半とのこと。だいぶ早いが行ってみることにする。
案の定、高千穂牧場はまだ閉まっている。
ショック! 乗用車820台大型バス20台の駐車場もバキュ−ムカ−が数台停まっているだけ。
ここのソフトクリ−ムが食べたかった。北の正面には、天孫降臨高千穂峰(1574m)が朝日を浴びて笑っている。
(後で気が付くのだがバキュ−ムカ−と思っていたのは、道路の花壇などに水を撒くための散水車だった)

2.1.2 霧島神宮
牧場を柵の外から少し見て、坂本龍馬も新婚旅行で寄ったといわれる霧島神宮へ行くことにする。
祭神はニニギノミコト。
ここで初めてバスの団体さんと一緒になった。四角い竹や大きな神木が迎えてくれる。一人だけ70歳くらいのおばあちゃんで派手な人がいた。
2.1.3 神話の里公園
霧島神宮から日本の道百選に選ばれた「霧島スカイライン」を少し行くと、「道の駅」と一緒にパラグライダ−やグラススキ−が出来る「神話の里公園」がある。車を降りて掲示板を見ると、「GW前の準備のため全部運休」になっている。
再びショック! もちろん観光客は一人もいない。
園内を走る汽車も運休しているので、仕方なく中腹まで階段を上る。少し遅めの霧島やツツジを眺め駐車場へ降りてくると、「汽車」が動いて人が乗っている。掲示板は、「運転しています」に変わっている。三度ショック!

2.2 えびの高原
2.2.1 丸尾の滝
仮設信号があり、工事中のためか片側通行になっているところから少しはいると「丸尾の滝」があった。観光バスが止まる場所もないので、ここにも人はいない。でもライトアップの設備がある。誰が見るのだろうか。
何気なく車を発車して、仮設の信号をすぎてからバスとすれ違う。後から考えると工事中の一方通行、信号が赤だったら行き来できないところであった。
2.2.2 えびの高原
林田温泉などが立ち並ぶ地区の少し前に道端から湯気が出ているところがたくさんある。面白そうなので、そのうちの一つで車を止める。看板がある。よく見ると、
  「有害なガスが出ることがあるので注意して下さい」
と書いてある。気のせいか変な臭いもする。あわてて車に乗る。

えびの高原温泉付近は何もなさそうなので、韓国岳(1,700m)の山肌をもう少し進むと、また道端から煙が出ている。懲りもせず好奇心一杯で車から降りてみる。「小地獄」と書いてある。一面草が無く所々黄色い岩が見える。登ることにする。階段を登りきったところでおばちゃんが二人座っている。広子さんが
  「これから登られるんですか」
と聞くとそうとのこと。年寄りには負けられないので、がんばってもう少し行くことにする。でも「賽の河原」に着いてから後ろを振り返ると、二人は引き返していった。だまされた。
2.2.3 高校生
さっきおばちゃん達が座っていたところまで戻ってくると、リュックをかついだ高校生の団体が登ってくるのに出くわした。行き来できないので待つ。みんな「こんにちわ」と声をかけていく。こちらも「こんにちわ」と返す。気持ちがいい。とまた広子さんが
  「何処から来たの」
と聞く。
  「〇☆△西高」
との返事。おいら大阪だから「西高」と言われても何処だかわからない。そこへ先生がやってくる。そして広子さん
  「カンコクダケへ登られるのですか」
先生はきょとんとしてる。少し間をおいて
  「ええ、からくにだけへ」
韓国岳と書いて「からくにだけ」と読むことは前に聞いたことがあるような気がするが、完全に忘れていた。

2.2.4 九州で一番高い温泉
  「車の中、なんか硫黄臭いな」
  「外が臭いんやのうて、二人の服やら髪の毛に滲みついてんねんで」
今回は、一度も昼間に露天風呂へ入ってない。やってきました「えびの市営露天風呂」ところが
  「37度の低温のため入浴できません」
と書いてある。ショック!
広子さんがトイレへ行ったので、待ってる間、飲むために温泉を汲みに来たと言うおばちゃんと話す。旦那さんもいるが、車の反対側で待っている。
さすが九州男児だ。べらべら喋らない。
広子さんが戻ってきてしばらく三人で世間話をする。おばちゃんに聞いて不動池の周りがいいらしいと言うのでえびの高原へ引き返す。池に戻ったがたくさん歩かなければならないようなので、再び生駒高原へ向かう

2.3 アイスランドポピ−
2.3.1 生駒高原

生駒高原は菜の花が終わりかけで今はアイスランドポピ−の季節。秋にはコスモスで、運悪く植え替えの時にくると何もないそうな。ここは言葉より写真を見てもらおう。
2.3.2 小林高校
何処へ行っても人が少ないので、ツ−ショットを撮るのに苦労をする。花畑の中に遠足の高校生がたくさん来ている。ラッキ−!これでシャッタ−マンに不便はしない。いい場所を見つけては、近くにいる高校生に
  「シャッタ−押してもらえませんか」
とたのむ。彼らは駅伝で有名な小林高校の生徒であった。
2.3.3 売店
売店でおみやげを買う。
  「200円の入場料が安い」
と店の人に話ていると、
  「そう言ってくれるお客さんもあれば、乗り越える人もいるんですよ」
と後ろから店のおっちゃん。元就のように愚痴っぽい人らしい。
種を買うだけで100円200円するのだから、この花の量と手入れからすると安いと思う。
2.3.4 花は霧島たばこは国分
昨日熊本空港を降りてすぐ、所々に扇風機が見える
  「あれ何?」
  「ああ、あれはお茶に霜がつかんようにや」
と答えたが、今日鹿児島空港近くまで来て、
   花は霧島たばこは国分
と言う歌を思いだした。歌っても広子さんは知らないと言う。
  「きっとたばこのためや、絶対や」
と言ってしまった。知覧に着くと大きく看板に
  知覧のお茶
と書いてある。「絶対」なんて言わなければよかった。

2.4 知    覧
2.4.1 知覧武家屋敷
日本の道百選に選ばれ、石塀に生け垣のある町並み、公開されている武家屋敷の庭の緑が美しい。本当は何処かで「入町金」みたいなのを払わないといけないのに、変な所から入ったためか払わずに出て来てしまった。猪口も買いたかったが5000円もしたのであきらめた。
2.4.2 特攻隊
戦争中、知覧には沖縄特攻隊の基地があった。今はここに、当時若い特攻隊員を迎え入れた基地周辺の人々が、彼らを偲び平和への祈りを込めて建設した「特攻平和会館」がある。
中に入ると、隊員の遺書を老夫婦が泣きながら声を出して読んでいる。最年少で17歳という隊員達一人々々の写真が掲げられ、遺書や遺品が展示してある。辛くて遺書は読めない。
2.4.3 指宿スカイライン
スカイラインの展望台でさっき別のところで写真を撮ってもらった夫婦に再び会う。この展望台にも二組の夫婦以外誰もいない。しかも完成していないみたい。
  「これから何処へ行かれますか」
と聞くと、「指宿」とのこと。でも、
  「旅館は決めてないんですよ、何処でもすいてるから。もしもの時は車があるから」
年をとったらそんな呑気なのもいいなと思う。いい天気だ。
さっきだいぶ近くまで来たはずなのに、広子ナビの言うとおり走っていたら、目に留まる看板の「白水館」までの距離が増えてくる。
    指宿「白水館」まで3キロ
の看板を見るに至って自分で地図を見る。やっぱり逆方向だ。おかげで小さな街の地理を覚えてしまった。

2.5 砂風呂
2.5.1 砂風呂
旅館で部屋に案内されるとき、二人いる「お姉さん」の若い娘の名札に新入社員と書いてある。広子さんが、
  「新入社員やから、許して下さいて言う印かな」
と言ったので
  「新入社員でも、社会人や」
というと
  「厳しいですね」
と先輩。丁寧に館内の案内をしてくれる。ここも自動ロック。鍵をかけなくても閉めると自動的にロックがかかる。鍵を持って出るのを忘れると中に入れない。
一息入れてから、もちろんここでは砂風呂へはいる。
2.5.2 元禄風呂
砂風呂に加え、元禄風呂も広くて浴槽の種類が多い。すいている。山口から来たというおっちゃんが露天風呂で話しかけてくる。
  「一年にいっぺん、夫婦旅行している」
とのこと。この日の走行距離260キロ

第3・4章へ進む / 戻る

ホ−ムペ−ジへ戻る 


デジカメを持っていなかったので、文章内の写真は、
よかとこBY・写真満載九州観光」のものを許可を得て使用しています。
質のいいHPですので、是非、見に行って下さい