■1986年(昭和61年)に廃止された
JR福知山線
廃線敷(生瀬〜武田尾)のうち、
立ち入りが制限されていた区間で安全対策工事が完了し、
11月15日(火)から”利用者の自己責任”で、
ハイキングコースとして一般開放されました。
と言うことで、早速行ってきました。
■朝一は”流れ橋”に行ってたので、少々遅い出発です。
JR生瀬駅着が12:20頃。
そこからは国道176号線(西宮街道)を”木ノ元”まで歩き、
ようやくスタート地点です。
廃線敷きまでは、青葉台を抜ける近道もあるようです。
また、コースの案内板は
木ノ元バス停
で国道を渡るように表示されています。
信号があり安全だからでしょう。
私たちはその手前の信号の無い横断歩道で
国道を渡りました。
そしたら、仮設トイレがすぐにありました。
さて、ここから武庫川沿いに、廃線敷を歩いて武田尾に向かいます。
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木ノ元側スタート地点付近
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■トンネル内のことを参考までに書いておきます。
トンネル内は真っ暗です。
他人さんの後を付いて歩くならいざ知らず、
懐中電灯かヘッドランプは必需品です。
私たちはヘッドランプを各自持って行きました。
おまけに所々、水滴が落ちてきますので、
帽子を被った方が良いかも。
さらに、外気とは相当温度差があります。
好天だったので、
歩き始めたときは、ブルゾンを脱ぎましたが、
最終的には寒くなったので着て歩きました。
■また、足下は砂利と枕木ですので、
底の厚い靴がお勧めです。
運動靴では少し疲れます。
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木ノ元・スタート地点 |
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自己責任です |
駅員の見張り台? |
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橋脚はコンクリートブロック |
基準点、水準点もあります |
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高座岩かな? |
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何でしょう? |
崖面管理用階段 |
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北山第一トンネル
1922年(大正11年)3月竣工/L=318m |
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南側口 |
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端面、内壁ともコンクリートが見えます |
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北側口 |
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銘板判読不能/北側口 |
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このあたりは日当たりが良いので暖かいです |
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落石防護柵 |
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待避所は今、展望台に転用 |
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北山第二トンネル
1899年(明治32年)1月開業/1956年・入口延長/L=397m |
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北山第二トンネル/南側口(入り口) |
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入り口付近/1956年に延長された部分はコンクリート |
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長手積みアーチ部と石積みの側壁が見える |
待避所 |
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かろうじて「北山第二」と見えるが、ペンキで加筆されたものか? |
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銘板判読不能/北側口(出口) |
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擁壁の刻印 |
待ち受け擁壁/水路部開口 |
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待ち受け擁壁・落石防護柵 |
待ち受け擁壁の刻印/1977−2 |
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跨線水路橋 |
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2連アーチ橋 |
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「1962−2」の刻印と落石防護柵 |
珍しい”フランス積み”の土留 |
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”フランス積み”の土留 |
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■トンネルの名称や延長については、
台帳を調べたわけでは無いので、ネットから取りました。
特に”武庫川第二橋梁”南のトンネル名称は
最近のネット情報では
横溝尾トンネル
になっていますが、少し前の情報では
溝滝尾トンネル
が多く見られます。
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溝滝尾トンネル
1899年(明治32年)1月開業/1921年出口延長、1961年入口延長/L=139m |
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出口付近から武庫川第二橋梁を望む |
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延長工事は直石積み10個ほど/アーチ部は長手積み4巻
5m程奥に旧トンネルの馬蹄形断面が見える |
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■溝滝尾トンネルの出口に近づくと見えてくるのが、
二代目の武庫川第二橋梁。
明治32年(1899)開通時”初代”の支間が約77mあったことと比較すると
結構短くなっているようです。
■明治30年代になると、
アメリカ式の橋梁技術が我が国でも用いられるようになりました。
この区間の前身の「阪鶴鉄道」もアメリカからの輸入トラスを用いました。
”初代”武庫川第二橋梁は典型的なピン結合トラスで、
当時、我が国最長、かつ初の「分格ワーレントラス」です。
「紀和鉄道」にも同規模のトラス橋(253呎、203呎)が架設されましたが、
現存しません。
■初代の武庫川第二橋梁の諸元は次のとおりです。
支間 253呎 5・1/2吋(77.3m)
格間 14×18呎 1・1/4吋(5.5m)
高さ 41呎 11・31/32インチ(12.8m)
1898年フェニックス・ブリッジ製で、開通は1899年(明治32年)です。
1953年まで使用されたようです。
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引用文献/明治時 代に製作された鉄道トラス橋の歴史と現状(第4報)米国系トラス桁その1
(小西純一、西野保行、淵上龍雄、1988)
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武庫川第二橋梁 |
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南橋詰め |
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コース整備前、ハイカーは危険覚悟でここを歩いていたようです |
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今は木製通路が整備されています/北橋詰めより |
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H鋼の刻印を探しましたが、発見できませんでした |
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長尾第一トンネル
1899年(明治32年)1月開業/L=307m |
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南側口 |
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待避所の煉瓦アーチ |
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北側口 |
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北側口 |
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待ち受け擁壁の排水工 |
標識? |
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長尾第二トンネル
1899年(明治32年)1月開業/L=149m |
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南側口 |
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南側口からさくら公園を望む |
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アーチ内側はモルタルで塗られてますが、端面を見ると側壁・アーチ共煉瓦とわかります |
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上部・アーチ/長手積みの小口・5巻、
下部・側壁/イギリス積み
”イギリス積み”は”フランス積み”に比べ強度が高いと言われています。 |
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北側口 |
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北側口/側壁・アーチ共煉瓦、途中からモルタル吹付 |
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長尾第三トンネル
1899年(明治32年)1月開業/1921年出口延長/1961年入口延長/L=59m |
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南側口/延長部 |
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奥旧断面(煉瓦アーチと石積)、手前延長断面(コンクリート製) |
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北側口 |
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北側口/煉瓦アーチ・4巻・長手積み |
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北側口 |
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北側口 |
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