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KITAHATA URBAN DESIGN CORPORATION

旧碓氷第12橋梁

平成30年10月14日
(たけちゃんのブログDay by dayより)

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たけちゃんの復元3D

■ねいじりまんぽの盟友”たけちゃん”が

撤去されてしまった”ねしりまんぽ”

    旧碓氷第12橋梁

の復元を試みたので、

本人の了承を得てここでその一部を紹介します。


■旧碓氷線の土木構造物は、

橋梁やトンネルの大部分が煉瓦造です。

アブト式急勾配鉄道(1/15=66.7‰)であったため、

スパンの大きい橋梁を煉瓦アーチとしたと考えられます。


旧碓氷第12橋梁の特長は次の通りです。

  ・ねじりまんぼである

  ・アーチ上の軌条面は傾斜がある

  ・側壁の高さが不同である

  ・正径間長は7.315m(24呎)と巨大なものである

  ・他方、奥行は約4mと思われる

ちなみに、「参考文献 6)」に碓氷第3橋梁の平面時がありますが、

外幅4.724m(15’6”)、内幅4.115(13’6”)m、となっています。


■たけちゃんは、模型を作るにあたり、

  「碓氷峠旧線跡に残る鉄道構造物の技術的特徴と意義」(小西純一、田島次郎)
  *この論文はダウンロード(外部リンク/新しいページが開きます)可能です。

に記載の旧碓氷第12橋梁の図面を元にしています。

傾斜勾配は1:15、縮尺は1/120

平面図を見ると、平行四辺形具合がよくわかります。

薄くて長い斜架橋(ねじりまんぼ)です。



「参考文献 6)」より
この図から起拱角=20°14’14”を得る
斜架角=60°からの計算値は20°11’
概要図をもとに坑門前面(AB面)後面(CD面)を別々に描き細部寸法を入れた。論文概要図に記載されていない寸法などはこの図面を定規で測り比例計算で得た値である。
1mm単位の数値でまことらしいが概算値だ。
高さが均一でなく長いのもあり、短いのもある。短いのはしっかりした岩盤でもあったのだろうと推測する。


■続いて「SketchUp」で碓氷第12橋梁3Dを作図。

アーチ橋本体、足元の長さは不等です。

埋設深さを1m程度とし、橋の下は川にしています。


埋設深さを1m程度とした。橋の下は川とした。
線路を付けた。男性も組み込んだ。
アーチを見上げると・・・
ねじりまんぼの作図はできていない。
影を付けてみた。
アーチ橋の上部を拡大
全体図
高くて幅の広い、本当に大きなねじりまんぼだ。
模型展開図
完成模型

数値データ

■旧碓氷第12橋梁の諸元は下記のとおりです。(参考文献 6)より)

斜架角 θ=60度から求める起拱角βの理論値は20度です。

    正径間 W=7.32m(24呎)

    斜径間 a=8.45m

    桁下高 H=8.46〜8.79m(ライズ3.05+下5.41〜5.74)

    斜架角 θ=60度(右)

    起拱角 β=20度(理論値)


参考文献 6)の中には

  「アーチに直角に測った径間が24呎(7.315m)」

との記載があります。

正径間のことを指していると思われますが、

下記 参考文献 2)「鉄道と煉瓦」 の記載、

    正径間 W=8.45m

    斜径間 a=9.76m

と合致しません。

正径間は綺麗な呎単位で有ることが多く、

参考文献 6)の図面が正とすると

「鉄道と煉瓦」は「斜径間」を「正径間」と誤り

斜径間を理論値から求めた可能性もあります。


当時の碓氷鉄道新設のアーチ用セントルの標準図(参考文献 7)も

24呎と36呎しか載っていないようです。

碓氷鉄道アーチセンター/径間三十六呎及二十四呎
参考資料 7)


■盟友”たけちゃん”の碓氷橋梁関係のブログはこちら(外部リンク/新しいページが開きます)↓

  碓氷第12橋梁の模型を作り直す碓氷第12橋梁の模型作り碓氷第12橋梁の3次元CAD作図碓氷第15橋梁




INFORMATION

1.「ねじりまんぽ」とは
2.「ねじりまんぽ」を見に行こう
3.「ねじりまんぽ」の構造
4.「ねじりまんぽ」建設再現
5.番外偏
6.マスコミで紹介されました
7.「ねじりまんぽ」一覧表
8.参考文献/参考外部リンク

参考文献

1) 斜架拱(しゃかきょう)
/伊藤鏗太郎(イトウ コウタロウ)編訳/1899年(明治32年)

 我が国で初めて斜架拱”ねじりまんぽ”を単独で取り上げた書物と思われます。
 国立国会図書館・蔵書検索システム(外部リンク)で検索すると、原著のPDFデータを閲覧ダウンロードすることができます。


2) 鉄道と煉瓦−その歴史とデザイン

/著者;小野田 滋(おのだしげる)/鹿島出版会/2004発行

 煉瓦の歴史や組積方法鉄道構造物としてのデザイン等について記されています。
 全国45都道府県を調査した”足で書かれた論文”で、現在も購入可能です。


3) 阪神間 ・京阪間鉄道における煉瓦 ・石積み構造物とその特徴

/著者;小野田 滋/土木史研究 第20号/2000.5

 京阪神間の煉瓦 ・石積み構造物の特徴を捉え、現地調査結果をまとめています。(PDF/外部リンク

4) 組積造による斜めアーチ構造物の分布とその技法に関する研究
/著者;小野田 滋、河村清治、須貝清行、神野嘉希/土木史研究 第16号/1996.6

 「ねじりまんぽ」の分布や技法についてまとめた論文です。(PDF/外部リンク

5) 関西地方の鉄道における「斜架拱」の分布とその技法に関する研究」

/JR西日本 河村清治、小野田滋、木村哲夫、菊池保孝/土木史研究 第10号/1990.6

 JR西日本管内の「ねじりまんぽ」を本格的に調査し、まとめています。(PDF/外部リンク

6)碓氷峠旧線跡に残る鉄道構造物の技術的特徴と意義

/小西純一、田島次郎/土木史研究 第14号/1994.6

  この論文はダウンロード(外部リンク/新しいページが開きます)可能です。

7)第9図 碓氷鉄道アーチセンター/径間三十六呎及二十四呎

土木学会 土木図書館委員会 図面資料研究小委員会(ホームページ/外部リンク



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