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KITAHATA URBAN DESIGN CORPORATION

第248号橋梁

平成26年10月12日撮影


関西本線の”ねじりまんぽ”-U

■10月12日、高校以来の友達・たけちゃんと関西本線の「ねじりまんぽ探検」。

面白そうな所に「めぼし」を付けながら木津川市から”木津川”沿いに国道163を東へ。

伊賀市からは国道25号(大和街道)を服部川、柘植川沿いにさらに遡り、加太(かぶと)まで行きます。

加太駅の東にある「市場川橋梁」を調査してから、

「めぼし」を付けたポイントをチェックしながら、来た道を戻ります。


第248号橋梁

「烏谷川橋梁」を探検後、

加太(かぶと)付近で通常煉瓦アーチを観測。

さらに「伊賀上野城」で「矢穴」を堪能した後、

関西線2番目の”ねじりまんぽ”、

     第248号橋梁

へ向かいます。


■京都府相楽郡南山城村北大河原荷掛

アプローチするのに下流へ歩いて行くと小さな橋が架かっていました。

その傍に運良く梯が・・・。

ところが、河床に降りて20m程進むと目線ほどの高さの落差工があるではありませんか。

若い頃ならともかく、腕の力だけでは登れそうもありません。

また、水も流れており、おいちゃん達には少々難問です。

しかたなく、二人で石運びから始めました。。

小型の階段を作って、程よいところで力尽くで登ります。



下流(西)より上流を望む

端面が鋸歯になっています

ねじりの模様

上流側坑門/梯がある!

側壁はイギリス積/H=1.99m

起拱角≒30°

データシート

■実測では

    正径間=3.65m、斜径間=4.86m、起拱角≒30°

となっています。

端面は巻の「鋸歯」になっているのが特徴です。

坑門、パラペット、側壁共に煉瓦はイギリス積みです。


■坑門角θ=斜架角αとした場合の起拱角は29°で、

実測値=30°と殆ど変わり有りません。

しかし、その幅(トンネルの長さ)は65.5mも有り、

今まで調査した中では最長です。

さらに、坑門は両側ともコンクリートに覆われること無く見ることができます。

複線化等の影響で、コンクリートで増設されている場合が多く

この様に両端とも見ることのできるねじりまんぽは、

殆ど残っていません。


以上の調査データをまとめ、データシートとしてPDFにしました。

  ⇒⇒No18 第248号橋梁 調査データ(PDF)
    


■上流へ出るとそこには鉄の梯が・・・。

もちろん帰り道は、この梯利用させていただきました。



■なお上記「調査ーデータ」を作成するにあたっては、下記の考えに従いました。

●ねじりまんぽの番号
 /「鉄道と煉瓦」表4-1”一覧表”(P117)における番号を採用。

●方向
 /東西南北の表示は主たる方向とした。

●経度緯度
 / Google Earth より求めた。

●煉瓦形状
 /手作り煉瓦であるので寸法にバラツキがある。故に代表値。

●積み方/イギリス積み、オランダ積みの区分
 /コーナーの仕上げ形状により、イギリス積みとオランダ積みが区分されるので、
 /文献「鉄道と煉瓦」にならい、一般的に”イギリス積み”と表記。
 /ただし、コーナー部が”オランダ積み”と確認できたもののみ”オランダ積み”と表記。

●θβの左右区分
 /「鉄道と煉瓦」にならい、側壁に向かってアーチの煉瓦が右上がりの場合「右」 、左上がりの場合「左」 と表記。

●中心キロ程
 /現行距離程による。(開業時とは異なる)


位置図








INFORMATION

1.「ねじりまんぽ」とは
2.「ねじりまんぽ」を見に行こう
3.「ねじりまんぽ」の構造
4.「ねじりまんぽ」建設再現
5.番外偏
6.マスコミで紹介されました
7.「ねじりまんぽ」一覧表
8.参考文献/参考外部リンク


参考文献

1) 斜架拱(しゃかきょう)
/伊藤鏗太郎(イトウ コウタロウ)編訳/1899年(明治32年)

 我が国で初めて斜架拱”ねじりまんぽ”を単独で取り上げた書物と思われます。
 国立国会図書館・蔵書検索システム(外部リンク)で検索すると、原著のPDFデータを閲覧ダウンロードすることができます。


2) 鉄道と煉瓦−その歴史とデザイン

/著者;小野田 滋(おのだしげる)/鹿島出版会/2004発行

 煉瓦の歴史や組積方法鉄道構造物としてのデザイン等について記されています。
 全国45都道府県を調査した”足で書かれた論文”で、現在も購入可能です。


3) 阪神間 ・京阪間鉄道における煉瓦 ・石積み構造物とその特徴

/著者;小野田 滋/土木史研究 第20号/2000.5

 京阪神間の煉瓦 ・石積み構造物の特徴を捉え、現地調査結果をまとめています。(PDF/外部リンク

4) 組積造による斜めアーチ構造物の分布とその技法に関する研究
/著者;小野田 滋、河村清治、須貝清行、神野嘉希/土木史研究 第16号/1996.6

 「ねじりまんぽ」の分布や技法についてまとめた論文です。(PDF/外部リンク

5) 関西地方の鉄道における「斜架拱」の分布とその技法に関する研究」

/JR西日本 河村清治、小野田滋、木村哲夫、菊池保孝/土木史研究 第10号/1990.6

 JR西日本管内の「ねじりまんぽ」を本格的に調査し、まとめています。(PDF/外部リンク


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