KITAHATA URBAN DESIGN CORPORATION

大阪府大阪市    天王寺   平成11/1/23



なんか、「新世界」は、別世界です。

 環状線を内回りで乗ったので、新今宮のフェスティバルゲ−トを過ぎ、天王寺公園が見える頃になると、車窓には、路上生活者の水色のテントが連続するように続く。次は、天王寺である。
 娘の書道の作品が、「第49回 大阪府高等学校書道展」に出展されたという。親ばか二人、天王寺の「大阪市立美術館」へ見に行った。
 高校の先生から子供を通じて、「2人まで無料入場券」を貰ったのだが、
公園の入り口で、
 「これは高校の先生が誤解し、コピ−したものだから無効です。」
とことわられた。でも、丁寧に「公園」を通らず「美術館」に行く道順を教えてもらった。
 「ここでカラオケしてますから、右へ行って・・・・・

 ”カラオケ?”と思ったが、行ってみて解った。本当に路上でカラオケを”営業”しているのである。それも1店や2店ではない。テントを張った本格的なものから、テ−ブルとコップ酒だけのものまで色々ある。軒を?並べ、発電器を作動さながら大音量で・・・。中には、女物の着物を着て白粉を塗った”おっさん”や、まっかっかのデンチを着て、ほっぺたを日の丸にした”おばはん”が、客か”サクラ”解らないけど歌って(踊って)いる。その周りには、柄の悪そうな”おっちゃん”達が、わいわいと溜まっている。酒の臭いとたばこの煙、ションベンの臭いが混ざり、一種異様な世界がそこにある。
 ここの”おっちゃん”達は、浮浪者では無い。職のない労働者なのである。ここに隣接する西成区の地区を「カマガサキ」から「あいりん地区」へと施政者が名を変えて何十年経つのか。働く意志があっても職が無く、どやに泊まる金もなく、市の用意した簡易宿泊施設(床にごろ寝)は満員、仕方なく路上・公園に野宿する労働者は、平成11年1月現在、市内だけで8,000人以上に膨れ上がっていると言われる。ここ、西成周辺だけではない、大阪城公園もテント村となっている。

 その中を女子高生達が通り抜けてい行く。目的地が同じようだ。

 結局、無料で入場できた。この書道展は、
  ”書道展”
と言うより
  ”書道を介した美術表現”
と言う方が正確かもしれない。通常の「書き初め」的なものから年賀状、皿や湯飲みなどの陶器、表札、額、巻物、色紙等。墨だけで無く、絵の具や染色、編み物等も使用、紙の代わりに、木や布、扇子、団扇、鉄など素材も色々。書かれた内容も「詩」から「歌」「古典」「般若心経」まで多種多様、大きさも書体もまちまちである。
 特に感心したのが、自分の思うままをしたためた「書」。自由な書体、自由な大きさ、自由な並び。
文章は違うかもしれないけど、こんな内容の作品に惹かれた。
   「生きることが 一番大切だと思っていた頃は しんどかった。
       生きることより大切なことがあるのが解ったとき 人生が楽しくなった。」
誰かの受け売りかもしれないが?。(”ゆず”の歌や童謡、歌謡曲、もあった)

 美術館を出た後、
  「通天閣」や「 し−ん 世界の ずぼらや」 を見ながら新世界方向へ抜け、”フェスティバルゲ−ト”へ寄る。「都市型アミュ−ズメント施設」の評判は高く、昨年の入場者数は予想以上とのこと。しかし、入場料が無料であるため採算が悪いと聞いたことがある。行ってみると、閉店した店や時間のせいか「客ゼロ」の店も何店か有る。土曜日の午後4時なのにそんなに混雑していない。ジェットコ−スタ−に乗りたかったが、これだけは3〜4回待ちくらいの長い列だったので諦めた。

 今日は、青春真っ盛りの高校生の”こころ”と路上生活をする人々、そして都会のビル型遊園地を同じところで見た。


天王寺動物園

●交通アクセス/JR天王寺駅から歩いてすぐ/地下鉄堺筋線「動物園前」から歩いてちょっと。


フェスティバルゲ−ト

●交通アクセス/JR新今宮から歩いてすぐ/地下鉄堺筋線「動物園前」からも歩いてすぐ。
●フェスティバルゲ−ト(株)/浪速区恵美寿東3-4-36/06−6635−1000
●年中無休/10:00〜23:00(アミュ−ズメントは22:00まで)
●乗り物(アミュ−ズメント)/コスモファイタ−=500円/エキドナの洞窟=500円/デルピス・ザ・コ−スタ−=700円/バッテリ−カ−=100円/その他
●飲食店/和洋中、回転寿司からミスドまで、30店近く。



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フリ−素材ですので、ご自由にお使い下さい。