データシート |
■ここからは、たけちゃんの観測データを元に諸元を整理していきます。
「斜架角 θ」については、
「正径間 W」と「斜径間 a」の実測値から計算される値とし、
実測諸元を下記のとおりとしました。
図−β実測値と理論値の比較(クリックで拡大図)
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正径間 |
W= |
2.28m (2.276)
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斜径間 |
a= |
2.59m (2.589)
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巾員 |
L= |
5.46m (5.460)
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斜架角 |
θ= |
62度 (坑門角αを採用)
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起拱角 |
β= |
21.2度 (3カ所測定平均)
19.0度 (理論値)
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■たけちゃんの感じたとおり、
概ね理論どおりの計画、施工だったと思われます。
以上の調査データをまとめ、未計測項目がありますが、
データシートとしてPDFにしました。
⇒⇒No34 皇后崎橋梁 調査データ(PDF)
(新しいウインドウが開きます)
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■なお上記「調査ーデータ」を作成するにあたっては、下記の考えに従いました。
●ねじりまんぽの番号
/「鉄道と煉瓦」表4-1”一覧表”(P117)における番号から不掲載分を追加。
●方向
/東西南北の表示は主たる方向とした。
●経度緯度
/ Googleマップ より求めた。
●煉瓦形状(今回データ無し)
/手作り煉瓦であるので寸法にバラツキがある。故に代表値。
●積み方/イギリス積み、オランダ積みの区分
/コーナーの仕上げ形状により、イギリス積みとオランダ積みが区分されるので、
/文献「鉄道と煉瓦」にならい、一般的に”イギリス積み”と表記。
/ただし、コーナー部が”オランダ積み”と確認できたもののみ”オランダ積み”と表記。
●θβの左右区分
/「鉄道と煉瓦」にならい、側壁に向かってアーチの煉瓦が右上がりの場合「右」
、左上がりの場合「左」 と表記。
●中心キロ程(今回データ無し)
/現行距離程による。(開業時とは異なる)
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■下記に位置図を示します。
少々違和感を感じたのが、近くにある
西日本鉄道北九州線跡
という遺構の位置。
線路がここにあったとすると、鉄道のための「ねじりまんぽ」なら
「ねじりまんぽ」の向きと線路の向きが一致しません。
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位置図
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■調べてみると、皇后崎停留場はこの遺構と
皇后崎橋梁との間にあったようです。
停留場は1914年(大正3年)6月25日、 九州電気軌道の停留場として開業。
黒崎駅と折尾駅の間に位置しました。
水路の方向と旧線路の方向は平行で、
今の鹿児島本線同様、東西に走っています。
皇后崎橋梁は水路をまたいでいますので
線路及び水路と交差する道路のような構造物が
水路を横断するために作られたものと思われます。
■そこで古い地図を見ることができるアプリ
今昔マップ
を使って大正時代の地理院の地図を見ると・・・・。
予想どおり、有りました。
皇后崎停留場のすぐ西側を南北方向に
鉄道を斜めに横切る道路が走っています。
おそらく、この道路が”水路を横断するため”に造られたのが
皇后崎橋梁
ではないでしょうか。
とすると、このねじりまんぽの竣工年も、もう少し違ってくるかもしれません。
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国土地理院/陣原駅(西側)−皇后崎駅(中央)−黒崎駅(東側)付近地図
地図をクリックすると拡大画像を見ることができます。
皇后崎駅付近拡大図
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